人生楽しい

楽しい非日常の日々を送っているつもりです

廃れてしまった......

 

 この画面の奥で文字列の中の原子一つとして細々と生きている僕は社会にに溶け込めずに孤立した、いわゆる"負け組"であり、自信も無ければ自らを前面に曝け出す勇気なんてもちろんあるわけも無いですが、そこらの常に集団でないと自分を殺してしまうような世間一般に言う"勝ち組"よりも、「自分は他のバカな奴らとは違う」という謎の一丁前のプライドだけは持ち合わせています。哀れなものです。

 

 しかしそれは同時に、周りとの違いを重んじるのであれば協調性というものを持つ必要は無く、思い通りの気楽な旅を勝手に一人で楽しめるという事も意味します。

 

そもそもの事を言えば旅というのは本来、普段都会の喧騒の中で溜まりに溜めまくったストレスを一掃し、新鮮な心を取り戻すためのもの。周囲の人間に好かれる事ばかり気にしていては純粋に心から楽しめる訳が無い。

 

 

 僕は人と、いや、本当に気の合うまるで同じ脳味噌を持っているような人間以外と行く旅は旅では無いと思っています。そんなものは接待旅行などと変わりない。景色なんか見る余裕もなく、常に見ているのは相手の顔色です。旅を終えて帰ってきてもなぜか溜まっているのは疲労

 

 わざわざ金をかけてまでさらなる疲れを溜める。意味わかんないですよね。別に人と行く旅すべてがクソだとかそんなことを言っているわけではないです。反則をして魔法の言葉を使ってしまいますが、全て時と場合によります。

 

 

 どれもこれも結局何故こうなってしまったのか、と聞かれたら、悲しくも弱っちく小さな自分の存在のせい、としか言えないですが。

 

 

 ここは地下鉄銀座線 浅草駅の6番出口。

 近頃日本では「8番出口」なるゲームが人気の様ですが、「自分は流行なんか乗らない」という意味の分からないプライドのせいでプレイしたことも実況を見たこともありません。唯一世界観だけはなんとなく理解できます。結構僕の好みの世界でした。

 

 しかしもう今から流行に乗ろうとは思わないし、もう手遅れです。流行というのはすぐ過ぎ去ってしまうもの。波がやってきたらすぐに乗らないと崩れ落ちてしまいますがまさに僕ですね。謎プライドのせいで全て上手くいきません。

 

 

 朝の暗い時間帯。浅草は本当に神秘的、異世界感漂う場所でした。通勤ラッシュを越し、沢山の観光客が押し寄せてしまってからでは見ることのできない景色を見ることが出来ました。

 これに関しては"周りとは違う"ことをして良かったのかも。

 

 

 一眼レフを使うのは初めてで、F値がどうのこうのシャッター速度も露出のことも何も分からないまま出てきてしまいました。ド下手クソな写真ですが側灯の赤い光が少しカーブを描いて並んでいる感じが好きです。

 

 

 特急には北千住から乗っても浅草から乗っても値段は同じで、別に北千住まで鈍行で来る必要なんて1mmも無かったのですがとある理由で北千住から乗車。指定席なので席取りとかそんなことは気にする必要ありません。

 

 

 ケチな人間なので特急なんか久しぶりに乗りました。席は硬かった。写真左の机を留めるクリップに特急券を挟んでいますが多分正しい使い方ではありません。前から述べている理由故こういうことをするのは得意です。

 最近新型のスペーシアXなる特急が登場しましたが、写真の500系車両も比較的新しく、走行音は全然しません。そんな中でシャッターを切ったのだからその瞬間の周りの乗客の目線はさぞ冷たいものだったことでしょう。オタクをやっていて基本的に周囲の一般の人間に対して優越感を感じることなんてまずありません。毎度毎度「生きててすみません」という気持ちでカメラをぶら下げてます。

 

 

 朝三時に最寄り駅で調達したおにぎりを食べてしばらく景色を眺めるやら寝るやらしていたら鬼怒川温泉駅に到着。特別早いとも遅いとも感じませんでした。

 

 

 隣に止まっていた特急スペーシア100系車両。車両の知識は無いので今調べて書きました。

 

 

 いいデザインしてますね。好きです。たまに池袋や浦和なんかで見るのは大抵この車両なので親しみは湧きます。

 

 

 駅を出てまず思ったのは「ここは本当に観光地なのか?」という事。旅を終えるまで観光客っぽい観光客はフレンドリーに話しかけてくれたおばちゃん4人組と中国人の集団しかいませんでした。

しかし決して廃れているわけではなく、普通の、特に大きくもない山間の町、という感じ。

 

 

 車が通るわけでもないのに何故あるのだろう。何か映ってはいけないものが映り込んでいそうです。

 

 

 岩のトンネルをくぐると見えてきたのはまた岩でした。展望台。階段を上ります。

 


 小銭は錆びていました。心の狭い人間なので財布は出しませんでした。

 

 看板の食堂はまだ営業しているのでしょうか。洒落たデザインの電灯はまだ点くっぽい。

 

 

 鬼怒川温泉マンション。まだ管理人がいるとのことですが入居者は少なく、一階部分の蕎麦屋やパブは営業しているものの、経営はどうなのだろう。よく見ると漬物の店には大量の服がしまってあり、右端の店も旗がしまわれています。

 

 

 鬼怒川公園方面からやってきた電車が通過。利用客は少ないようです。

 

 

 ここは営業しているみたい。向かいにあったホテルもある程度人がいました。

 


 ようやく廃墟が出現しました。鬼怒川観光ホテルの東館は他の廃墟ホテルとは違ってぽつんと佇んでいます。本館は今も営業中ですが、元々の経営会社は既に事実上倒産しており、現在経営しているのは規模のデカい大江戸温泉物語グループ。

 

 

 この消火栓は色んなところで見ることが出来ました。

 


おさるの山へ向かうロープウェイ。結構混んでいましたが運行本数は少なめでした。

 

 

 餌やり体験しましたが猿たちは相当飢えているようです。人間味のある猿たちで可愛いな~という感情とともにゾっとしたことも確かです。

 また自分と見比べてしまうとネガティヴな感情しか浮かんできませんでした。悲しいことに。

 

 

普通の人間なら山頂で猿を見て神社にお参りして下山すると思いますが、僕は親の気持ちを一ミリも考えず山奥に入りました。一応この先に杉か何かの木が一本生えているそうで、道がある程度整備されていました。木なんかそこら中に生えているのに特筆するほど立派な木なのでしょうか。

 

 そういえば熊鈴を持ってくるの忘れました。

 

 

 被写体として良すぎるベンチ。技量が足りませんでした。

 

 

 古そうな「山火事注意」の看板。ここは国有林の様です。

 

 

 そんなに古いものではなさそうですが見たことのないペットボトルです。賞味期限を確認しようと思いましたが無理でした。

 


 ロープウェイは1200円でそこそこ高かったですが経営状況的にそうしないと恐らく潰れてしまうのでしょう。観光地で売っていくのは大変です。

 

 

 最後に猿に挨拶し下山。

 

 

 檻に閉じ込められるのは見物する人間側でした。動き回って元気な猿たちでした。これまたどこか彼ら彼女らに憧れを持ってしまう自分がいました。

 

 

 麓に廃墟群を望む。手前は鬼怒川温泉で一番大きいであろうあさやホテルです。相当豪華であると聞いていましたが入り忘れました。奥の建物たちは川に面しているという事もあって手入れもできず、酷い状況です。

 

 

 営業しているホテルでも廃墟と間違えてしまいそう。写真のホテルは新しそうですがもう営業はしていなさそうです。

 

 

 バス停がありますが降りた目の前のホテルたちはどれももう営業していません。


 

 玄関のところの看板が新しいのが気になります。

 

 

 もうここには入れません。

 


 鬼怒川公園の駅前はまだ転車台などのイベントがあって栄えている鬼怒川温泉駅とは違い、完全に寂れていました。唯一営業していたのがこの店です。湯葉が特に美味しかった。漬けだれが無くても豆の味が最高です。天麩羅もサクサクで美味しかった。廃墟を大量に見た後でしたが食欲が無くなるとかそういう事は全くありませんでした。

 

 この後鬼怒川公園の岩風呂に入りました。滅多に旅先で温泉につかることなんて今まで無かったのですが、もう旅先に温泉なしでは行けなくなりそうです。食後のコーヒーミルクも最高でした。

 しかし悲しいことに、僕が入った鬼怒川公園岩風呂は今年の3月いっぱいで閉館になるそうです。後になって知ったときはショックでした。地元の方も多く利用されていたのですが、設備の老朽化、とのことです。

 

 

 午後。新藤原方面に向かいます。他に乗客はいませんでした。この駅が終着の列車も設定されおり、また特急が止まる駅ですが(殆どこの辺りでは各駅停車)駅員の方も退屈そうでした。

 車内は快適で座席もフカフカ。ずっと座っていたい。

 

 

 新藤原の次駅、龍王峡で下車。先ほどと同じく他に利用客はいませんでした。駅員の方に大変親切にしていただきました。ありがとうございました。

 

 

 土産屋が1,2店舗ほど営業していましたが恐らく売り上げは相当少ないことと思われます。

 

 

 デカい滝です。夏になれば人も増えるのだと思いますが、尋ねた日はおじさんが1人いただけで他に道を歩いていて人とすれ違うことはありませんでした。

 

 

 本当はこれに乗って帰るはずでした。

 

 

 暗くなってしまいました。ここに辿り着くまでに20分近く山道を歩きました。熊鈴無しだったので正直かなり怖かったです。

 

 

 かなり乱れていますがやっと帰りの電車がやって来ました。これを逃すと本当に真っ暗になります。

 

 

 新藤原駅の駅員さんにも本当に優しく接していただいて感謝しかないです。

 

 

 暗所での撮影は難しい。

 

 

 まるで異世界の様。

 

 

 夜の鬼怒川温泉駅周辺は転車台でのSL回転イベント後のいい香りが漂っていました。ちょうど雨が降ってきたので雨の独特の香りと混ざって最高。人も少なかったですが、まさに温泉地の夜、という感じでした。あまり鬼怒川温泉駅周辺は寂れた感じはしなかったです。

 

 

 最後に駅前の足湯につかりました。写真のズボンですが、暖かく動きやすい物を選んで行きました。いい選択だったと思います。

 

 下今市方面の電車に乗車。これで今回の旅は終了。良い一日でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 追記

 

 散々人と行く旅はクソだとか行っておきながら鬼怒川へは友達3人と行っていました。一人で廃墟を巡る勇気は起きませんでした。僕はこういう人間です。